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東京女学館中学校を調べてみた 〜広尾で育まれる国際感覚と伝統の学び〜

こんにちは。「都会のはしっこ、2LDKで育ててます。」の管理人です。

これまでにもいくつか学校調査をしてきました。

気になる学校を一つひとつ見ていく作業は時間もかかりますが、発見が多くて面白いです。

今回は渋谷区広尾にある東京女学館中学校を取り上げます。

学校の校舎とグラウンド(公式HPより)

いつも通り、アクセスや学校の基礎情報に加えて、特に充実している海外研修プログラムと学校独自の取り組みについて調べてみました。

それでは、順番にまとめていきます。



学校の基本情報

まずは東京女学館中学校の基本的なデータから整理します。

  • 設置区分: 私立
  • 性別区分: 女子校
  • 系列校:
  • 高校募集: あり(令和8年度=2026年度の生徒募集要項が公開済)
  • 公式情報: 募集要項(東京女学館)

場所は広尾。周辺は大使館やインターナショナルスクールも多く、国際的な雰囲気の漂う立地です。

駅からは少し遠いためバス通学がメインになりますが、学校の目の前にバス停があるのでそこまで不便ではなさそうです。

海外研修プログラムの充実度に驚く

東京女学館を調べていて一番目を引いたのが、多彩な海外研修プログラムです。
中学から高校にかけて幅広い地域に足を運ぶ機会が用意されていて、生徒の国際感覚を磨く環境が整っています。

ひとつずつ書き出します。

アメリカ文化研修

  • 研修地: アメリカ/セーラムポートランドオレゴン州、TIUA東京国際大学アメリカ校を舞台)
  • 期間: 13日間(夏休み中約2週間)
  • 対象者: 高一(一般学級)、高二
  • 研修内容: 出発前の英語研修2日間、現地では高校生メンターと英語漬けの生活。女性リーダーの講義やパネルディスカッション、ホームステイ、議事堂・美術館見学など。

東南アジア文化研修

  • 研修地: マレーシア/クアラルンプール・マラッカ、タイ/バンコク・アユタヤ
  • 期間: 12日間(夏期)
  • 対象者: 中3、高一(一般学級)、高二
  • 研修内容: 姉妹校の家庭にホームステイしながら通学。授業体験やクラブ見学、日本文化紹介を通して交流。観光を交えつつ歴史と文化を学ぶ。

韓国文化研修

  • 研修地: 韓国/ソウル、公州、儒城、扶余、天安
  • 期間: 4日間(隔年実施)
  • 対象者: 中3、高一
  • 研修内容: 海成女子高校を訪問して交流。西大門刑務所歴史館などを見学し、日韓の歴史と平和を考える。

タスマニア文化研修(国際学級)

  • 研修地: オーストラリア/タスマニア州ホバートシドニー
  • 期間: 10日間(隔年実施)
  • 対象者: 国際学級中3(6名選抜)
  • 研修内容: ホストシスターと一緒に現地校に通い、授業や生活を体験。シドニー観光を通じて働く女性の姿に触れ、社会貢献や将来の生き方を考える。

ボストンリーダーシップ研修(BLAST)

  • 研修地: アメリカ/ボストン、ニューヨーク
  • 期間: 11日間
  • 対象者: 国際コース高一全員
  • 研修内容: 女子大学生とのディスカッション、ハーバード大・MITのキャンパスツアー、国連本部訪問。リーダーシップを学ぶアカデミックなプログラム。

学校派遣留学(1年間)- オーストラリア・ニュージーランド

  • 研修地: Clayfield College(ブリスベン)、The Glennie School(トゥーンバ)、Baradene College(オークランド)、St. Mary's College(ウェリントン
  • 期間: 高一1月~高二12月
  • 対象者: 一般コース(成績条件あり、選抜制)
  • 研修内容: 女子校に1年間留学、ホームステイ生活。事前のアカデミック英語講座あり。奨学金50万円を給付。

学校派遣留学(1年間)- アメリカ

  • 研修地: Dana Hall School、The Woodward School(ともにボストン)
  • 期間: 高一9月~高二7月
  • 対象者: 国際コース(一定の英語力必要)
  • 研修内容: Danaは寮生活、Woodwardはホームステイ。奨学金100万または50万円の給付あり。

学校派遣留学(1年間)- イギリス・アメリカ

  • 研修地: Queen Anne's School(英・レディング)、St. Mary's Academy(米・ポートランド
  • 期間: 高二9月~高三7月(英)、高一9月~(米)
  • 対象者: 一般・国際共通(試験や英語力条件あり)
  • 研修内容: Queen Anne'sは寮生活(免除枠あり)、St. Mary'sはホームステイ。

短期(ターム)派遣留学

  • 研修地: Lourdes Hill College(ブリスベン)、Methodist Ladies' College(メルボルン
  • 期間: 高一1月~4月(約3ヶ月)
  • 対象者: 一般コース(各校2名)
  • 研修内容: ホームステイ生活をしながら学ぶ。

※最新の詳細は学校のHPをご確認ください。

東京女学館の独自の取り組み

では、ここからは学校の特色についてピックアップします。

国際学級とこれからの学び

国際学級とは?(https://tjk.jp/mh/international_class/ic_introduction/より)

東京女学館の大きな強みのひとつが国際学級です。
英語圏のカリキュラムをベースに「ランゲージ・アーツ」を導入しており、論理的に表現する力を磨けます。ネイティブ教員と日本人教員の両輪で進む少人数教育も魅力的。

2026年度からは「ケンブリッジ国際認定校」に加わる予定とのことで、世界160カ国以上で通用する資格を得られるチャンスが広がります。これは進学面だけでなく、生徒の将来設計にも直結しそうです。

探究学習で論文執筆に挑む

高校に進むと、探究学習が本格的に始まります。
生徒自身がテーマを選び、2年間かけて5000字以上の論文を仕上げるという本格派。大学の先生の講義を受ける機会もあり、専門的な視点に触れられるのは大きな刺激になるはず。

専任教員が小グループに付いて面倒を見る仕組みもあるので、放置されることなく最後まで走り切れる点は安心です。

キャリア教育の積み重ね

キャリア教育は中学1年から段階的にスタートします。
「自分を知る」から始まり「社会を知る」、そして「未来を設計する」へと2年ごとにテーマを区切って進める方式。

社会人講演の「15歳のハローワーク」など、現実の職業に触れる場も設けており、机上の空論で終わらないのが良いと思いました。

伝統文化教育で品性を育む

国際教育だけでなく、日本の伝統文化にもきちんと力を入れているのが東京女学館らしいところです。
茶道や華道を体験したり、大相撲や古典芸能の鑑賞に触れたり。こうした経験は「礼儀」や「品格」という目に見えにくい力を育てるのに効いてきそうです。

クラブ活動も文化系が盛んで、茶道部・華道部・かるた部など、本格的に日本文化を学ぶ機会が揃っています。

まとめ

東京女学館中学校を調べて感じたのは、「国際感覚と伝統のバランス」です。
海外研修や国際学級で視野を広げつつ、日本の伝統文化や品性教育にもきちんと取り組む。さらに探究学習で知的に鍛えられ、キャリア教育で未来のイメージを固める。

「世界で通用する女性を育てる」というメッセージがカリキュラム全体に貫かれている印象を受けました。

渋谷・広尾という立地にありながら、落ち着いた環境の中で教育を受けられる点も魅力のひとつですね。

ではでは。