こんにちは。「都会のはしっこ、2LDKで育ててます。」の管理人です。
東京もすっかり秋めいてきましたね。
わが家の娘も日々の家庭学習をコツコツ頑張っています。
でもまだ、漢字の書き取りや算数の四則演算は、学習してからしばらくするとポロっと忘れてしまうこともしばしば。
「3日前までは完璧だったのに、、、」と、親としてはつい思ってしまうのですが、これは仕方のないこと。
有名な「エビングハウスの忘却曲線」なんてものがあるくらいですから、人間は忘れる生き物なんですよね。
なので、これまでは忘却曲線を意識して、「1日後、3日後、1週間後…」みたいに(そこまで厳密ではないが)、タイミングよく復習させることを心がけてきました。
これはこれで一定の効果はあると感じています。
でも、ふと思ったんです。
「このやり方って、本当に娘にとってベストなのかな?」
「もっと効率的で、何より娘が楽しく覚えられる方法があるんじゃないか?」
そんな疑問から、今後の学習のヒントを得るために、子どもの「記憶の仕組み」について少し深掘りして調べてみることにしました。
今回は、私と同じように小学生のお子さんを持つパパさん・ママさんに向けて、わが家の学習方針を考えるヒントにもなった「記憶の種類」について、調べたことをまとめてみたいと思います。
- この記事の3行まとめ
- まずは基本!記憶って、そもそもどんな種類があるの?
- 学習の効率を左右する「3つの長期記憶」
- 学習の土台となる「ワーキングメモリ」の存在
- 【まとめ】記憶の特性を活かして学びを豊かに
この記事の3行まとめ
- 子どもの学習効率を上げるには、記憶の種類と特性を理解するのが近道。
- 記憶には「体験(エピソード)」「知識(意味)」「反復(手続き)」の3タイプがあり、それぞれ鍛え方が違う。
- 学習内容に合わせて記憶のタイプを意識し、アプローチを変えることで、子どもの記憶に残りやすくなる。
まずは基本!記憶って、そもそもどんな種類があるの?
さて、「記憶」と一口に言っても、実は色々な種類があるようです。
専門的な情報も参考にしつつ、私なりにざっくりと整理してみると、記憶はまず保持される時間の長さによって大きく2つに分けられるみたいです。
- 短期記憶: 聞いた電話番号を数秒だけ覚えておく、みたいなごく短い時間の記憶。
- 長期記憶: 昔の思い出や勉強した知識など、長く保存される記憶。
普段、私たちが「勉強して覚える」というのは、もちろん「長期記憶」に知識をしっかり定着させることを目指しているわけですよね。
この長期記憶が、さらにいくつかの種類に細かく分類されていて、ここが学習のヒントの宝庫でした。
学習の効率を左右する「3つの長期記憶」
調べていくと、長期記憶は大きく分けて「宣言的記憶」と「非宣言的記憶」というものに分かれるそうです。
…いきなり専門用語で難しそうですよね。私も最初はそう思いました。
すごく簡単に言うと、
という感じです。
そして、この中でも特に小学生の学習に大きく関わってくるのが、「エピソード記憶」「意味記憶」「手続き記憶」の3つです。
一つずつ、見ていきましょう。
① 体験や感情とセットで覚える「エピソード記憶」
これは、個人的な体験や出来事に関する記憶です。
「去年の夏休みに家族で行った沖縄旅行は楽しかったな」とか、「運動会でリレーのアンカーで走って緊張したな」とか。
そういった、時間や場所、その時の感情がセットになった、自分だけの思い出のことですね。
脳の中では「海馬」という部分が深く関わっているそうです。
このエピソード記憶、実は学習においてものすごくパワフルな武器になります。
よく言われるように、ただの無機質な情報よりも、物語や自分の体験と結びついた情報の方が、圧倒的に記憶に残りやすいからです。
例えば、日本の地形を覚えるのにも、ただ地図を眺めるのではなく、
実際に新幹線や飛行機で移動する際にgoogleマップで現在地を確認しながら移動してみた方が、
実体験と結びついて記憶に残りやすいものです。
あるいは、歴史上の人物を覚えるにしても、年号と名前を丸暗記するんじゃなくて、その人物の生涯を描いた伝記漫画を読んで、「こんな面白い人生を送った人なんだ!」と感情が動けば、それはもう立派なエピソード記憶になります。
楽しい、面白い、驚いた、悲しい、といった感情を伴う体験は、記憶を強烈に補強してくれるんですね。
わが家でも、地図を見ながら行ったことのない場所に出かけたり、博物館で実際のモノに触れたりしています。
そういうちょっとした工夫が、知識を「エピソード記憶」として定着させる手助けになるのかもしれません。
② いわゆる「お勉強」で覚える知識の引き出し「意味記憶」
これは、言葉の意味や歴史の年号、九九といった、一般的な知識に関する記憶です。
いわゆる「学校の勉強」で覚えることの多くが、この意味記憶に分類されます。
例えば、「日本の首都は東京である」とか、「犬は英語でdogと言う」といった、個人的な体験とは切り離された客観的な事実の記憶ですね。
脳の中では、一度海馬を経由した情報が「大脳皮質」という広い範囲に保存されるようです。
この意味記憶は、まさに知識のデータベース。
これをいかに増やし、整理していくかが学力の基礎になります。
面白い研究があって、ある調査では、小学生は6歳から12歳の間に、年間800~900語もの新しい言葉を習得するそうです。
そして、この意味記憶を効率よく定着させるカギは、「ネットワーク化」にあるようです。
新しい知識を覚えるときに、それを単体で覚えようとするのではなく、既にもっている知識と関連付ける。
そうすることで、知識がバラバラの「点」ではなく、互いに結びついた「線」や「面」になり、忘れにくく、そして思い出しやすくなるんだとか。
例えば、「光合成」という言葉を新しく学ぶとします。
- 「光」って、太陽の光のことだよね。
- 「合成」って、何かと何かを合わせて新しいものを作ることだよね。
- じゃあ、植物が太陽の光を使って、何かを作ることなのかな?
- そういえば、植物は二酸化炭素を吸って酸素を出すって前に習ったな。
- もしかして、光を使って、二酸化炭素から栄養(と酸素)を作ること…?
こんな風に、知っている言葉や知識とつなぎ合わせていくイメージです。
マインドマップなんかも、まさにこの知識のネットワーク化を視覚的に行うツールですよね。
ただやみくもに暗記させるのではなく、「これって、あの時話した〇〇と似てるね」とか、「この漢字が使われている別の言葉、知ってる?」 みたいに、親が問いかけて知識の橋渡しをしてあげることが、強固な意味記憶を育てる上でとても重要なんだなと、改めて感じました。
③ 反復練習で体に染み込ませる「手続き記憶」
これは、自転車の乗り方、ピアノの演奏、パソコンのタイピングなど、技能や習慣に関する記憶です。
特徴は、「どうやってやるの?」と聞かれても言葉で説明するのは難しいけれど、体は覚えている、という点。
一度身につけると、なかなか忘れることがありません。
脳では「基底核」や「小脳」といった部分が活躍するそうです。
これ、まさに公文の計算に当てはまりますよね。
最初は一つ一つ考えながら解いていた計算問題も、何度も何度も繰り返すうちに、問題を見た瞬間にスラスラと手が動くようになる。
これは、計算の手順が「意味記憶」から「手続き記憶」へと移行した状態と言えるかもしれません。
ピアノの練習も同じです。
最初は楽譜とにらめっこしながら一音一音たどたどしく弾いていたのが、練習を重ねるうちに指が自然に動くようになります。
この手続き記憶を鍛えるのに必要なのは、とにかく反復。
ここに理屈はあまりなく、身体に染み込ませるための地道な練習が効果を発揮します。
だから、「なんでこんな単純な計算を何度もやるんだろう?」と疑問に思うこともありましたが、計算という技能を自動化・高速化するための「手続き記憶」を鍛える、という意味では非常に理にかなったトレーニングなんですね。
ただし、これを嫌々やらせてしまうと、勉強そのものへのネガティブな「エピソード記憶」が生まれてしまう可能性も。
そのバランスが難しいところですが…。
学習の土台となる「ワーキングメモリ」の存在
そして、もう一つ。
これらの記憶の話をする上で、どうしても外せない重要な役割を担うのが「ワーキングメモリ」です。
これは「作業記憶」とも呼ばれていて、情報を一時的に記憶しながら、同時にそれを処理する能力のこと。 例えるなら、「脳の作業台」のようなものです。
例えば、文章を読んでいるとき。
私たちは、一つ前の文の内容を覚えておきながら(短期記憶)、今読んでいる文の意味を理解し、それらを繋ぎ合わせて文章全体の意味を捉えています。
算数の筆算もそうですね。
繰り上がりの数を覚えておきながら、次の桁の計算をする。
この「覚えておきながら、何か別の作業をする」という、まさに脳のデスクの上で行われる作業が、ワーキングメモリの働きです。
このワーキングメモリの容量には個人差があって、特に小学生のうちはまだ発達段階。
容量が小さい子だと、複数の指示を一度に言われると最初の指示を忘れてしまったり、計算ミスが多くなったりすることがあるようです。
もし、お子さんが「文章問題が苦手」「計算でケアレスミスが多い」といった傾向があるなら、このワーキングメモリに負荷がかかりすぎているのかもしれません。
その場合は、
- 指示は一度に一つずつ、短く出す。
- 文章問題は、一度に全部読ませるのではなく、一文ずつ区切って「ここまではどういうこと?」と確認しながら進める。
- 計算の途中の数字は、余白にメモさせるクセをつける。
といったように、脳のデスクの上を整理整頓してあげるようなサポートが有効なんだそうです。
ワーキングメモリを直接鍛えるトレーニングの効果は限定的、という研究報告もあるようなので、無理に鍛えようとするよりも、学習環境を整えてワーガキングメモリの負荷を減らしてあげることの方が、結果的に学習効率のアップに繋がりそうですね。
【まとめ】記憶の特性を活かして学びを豊かに
今回は記憶の種類について学び、学習のヒントを整理してみました。
これまで何となくやっていたことにも「なるほど、こういう記憶に働きかけていたのか」という発見があり、新たな視点も得られました。
特に重要だと感じたのは、体験や感情と結びつく「エピソード記憶」の活かし方です。
歴史漫画や科学番組を一緒に見て感動したり、図鑑で知った生き物を公園で探したり、学んだことを自分の言葉でアウトプットしたり。
こうした「楽しい」「なるほど!」という感情が伴うことで、知識は血肉となり、本当の意味で「身についた」ものになるのでしょう。
一方で、言葉の定義や概念といった「意味記憶」は、類義語やマインドマップを使って知識を関連付け、深く理解できるようなサポートが必要そう。
また、計算や漢字などの反復練習は「手続き記憶」として、毎日の習慣にすることで、着実な基礎力に繋げたいところ。
親としてできるのは、今取り組んでいる課題がどの記憶にアプローチしているかを少しだけ意識し、学習方法を柔軟に使い分けてあげることなのかもしれません。
勉強を「つまらない暗記作業」で終わらせないために。
それぞれの記憶の特性を活かしながら、学びがもっと立体的で面白いものだと娘が感じてくれるよう、私も一緒に試行錯誤していきたいと思います。
ではでは。
