こんにちは。「都会のはしっこ、2LDKで育ててます。」の管理人です。
小学2年生の娘が購読している 読売KODOMO新聞。 毎週親子で楽しみにしているのですが、その中の「ワールドトピックス」という世界の国々を紹介するコーナーが、今回のテーマのきっかけです。
少し前に「ポーランド」 と 「インドネシア」の紹介があり、比べてみると「2つの国の国旗って、色が同じで“上下逆さま”だね」なんて話を娘としていたのですが…。
先日、お風呂に貼ってある世界地図のポスターを眺めていたら、ふと気づいたんです。
「あれ、モナコ と インドネシア の国旗って、ほとんど同じじゃない?」と。
デザインが酷似している国旗というのは時々ありますが、この2つの国は特にそっくりです。
気になりだしたら止まらず、早速調査してみました。
この記事の3行まとめ
- モナコとインドネシアの国旗はデザインが酷似している。
- 厳密には「縦横比」「赤の色味」「制定の歴史的背景」が明確に異なる。
- デザインが似た背景には歴史的な経緯があり、シンガポール国旗とも関連性が見られる。
“赤上・白下”デザインの国旗たち
まず、今回比較対象となる国旗の基本情報を整理してみましょう。 この「赤が上で、白が下」という構成、シンプルながら強い印象を受けます。
インドネシアの国旗
- 国名: インドネシア共和国
- デザイン: 横二分割、上が赤・下が白。
- 比率: 2:3
- 色の意味: 最も一般的な説は、赤が「勇気」、白が「純潔」を象徴するというもの。他にも「身体と魂」といった解釈もあるようです。
- 歴史背景: この赤白のデザインは新しく生まれたものではなく、13世紀に栄えたマジャパヒト帝国の旗印に由来すると言われています。非常に長い歴史を持つ配色なんですね。
モナコの国旗
- 国名: モナコ公国
- デザイン: 横二分割、上が赤・下が白。
- 比率: 4:5
- 色の意味: インドネシアのような象徴的な意味というよりは、歴史的経緯が強いようです。赤と白は、14世紀からモナコを統治するグリマルディ家の紋章に使われてきた伝統の色です。
- 特記事項: ちなみにモナコの「政府旗」は、この赤白の国旗とは別に、グリマルディ家の紋章が描かれた白い旗が存在します。
(参考)シンガポールの国旗
- 国名: シンガポール共和国
- デザイン: 上が赤・下が白。左上に白い三日月と五つの星が配置。
- 比率: 2:3
- 色と象徴: 赤は「普遍的な兄弟愛と平等」、白は「永遠の純粋さと徳」。三日月は「若き国家の成長」、五つの星は「民主・平和・進歩・正義・平等」という国家の理念を表しています。
シンガポールは、インドネシアの赤白構成に、明確な理念を示すシンボルマークを追加した、というデザインに見えますね。
では、モナコとインドネシアは“完全に同じ”なのか?
並べてみると、似てはいますが、明確な「違い」が4つ見つかりました。
違い①:縦横比
これが最も明確な違いです。
つまり、モナコの国旗の方が、インドネシアの国旗よりも少し「正方形に近い」(縦長に見える)形状をしています。
とはいえ、並べて掲揚されない限り、この比率の違いを瞬時に見分けるのはかなり難しいですよね。
違い②:赤の色味・トーン
これは公式の厳密な規定を見比べる必要がありますが、一般的に、モナコの赤は、インドネシアの赤よりも少し濃い(深みのある)色合いだとされています。
ただ、これも印刷物やモニター、あるいは旗の製造メーカーによって誤差が出る範囲とも言え、決定的な違いとまでは言いにくいかもしれません。
ちなみに、お風呂ポスターではこの違いは見抜けませんでした。
違い③:歴史的背景と色の意味
これはデザインの「見た目」ではなく「中身」の違いです。
- インドネシア: 1945年の「独立」の象徴。マジャパヒト帝国時代からの伝統色(勇気と純潔)を受け継いでいます。
- モナコ: 1881年に制定されましたが、ルーツは14世紀の「王室(グリマルディ家)の紋章」の色です。
「独立と革命の象徴」と「公国の伝統的な紋章の色」。
同じ赤白に見えても、その旗が背負っているストーリーが全く異なるわけです。
違い④:制定をめぐる外交的経緯
ここが一番興味深いポイントでした。
実は、インドネシアが1945年にこの国旗を制定した際、モナコ側から「デザインが酷似している」として抗議があった?そうです。
しかし、インドネシア側は「この赤白のデザインは、我が国のマジャパヒト帝国時代(13世紀)から続く伝統的な配色であり、モナコのデザインを模倣したものではない」として、この抗議を受け入れませんでした。
結果として、両国は異なる縦横比を持つ「赤白の国旗」を、それぞれが正当なものとして現在も使用し続けています。
似ている国旗から見える「歴史の偶然と必然」
国旗のデザインが似る理由は様々です。
今回のモナコとインドネシアのように、全く異なるルーツを持ちながら「偶然」デザインが酷似してしまったパターン。
一方で、インドネシアとシンガポールの関係はどうでしょうか。 シンガポールは地理的にも文化的にもインドネシア(やマレーシア)と近く、国旗を制定する際、近隣諸国のデザインを意識しなかったとは考えにくいです。
シンガポール国旗の設計者は、赤白のベースカラーについて「マレー系住民に配慮しつつ、中国系住民の伝統的な色(赤)も取り入れた」という趣旨の発言を残しています。
これは「偶然」ではなく、地政学的なバランスや国内融和を考慮した「必然」の結果と言えるかもしれません。
どちらが先に使ったのか?
単純な制定年だけで言えば、
となり、モナコの方が近代的国旗としての採用は先です。
しかし、インドネシアが主張するように「デザインのルーツ」まで遡れば、13世紀のマジャパヒト帝国の旗に行き着きます。
どちらが「オリジナル」かを決めるのは、非常に難しい問題なんですね。
「赤と白」というシンプルで力強い配色は、洋の東西を問わず、多くの文化で「勇気」「情熱」「純粋」「神聖」といった意味合いで古くから使われてきました。
だからこそ、時代や場所を超えて、似たデザインが生まれるのはある種の必然だったのかもしれません。
まとめ
たった一枚の世界地図ポスターから始まった、ささやかな疑問。
深掘りしてみると、そこには歴史、文化、そして国家間の外交交渉まで詰まっていました。
改めて、今回の調査結果を整理します。
- モナコとインドネシアの国旗は、デザイン(赤上・白下)は酷似しているが、「縦横比」「赤の色味」「歴史的背景」が異なる「別の旗」である。
- 制定年(1881年)はモナコが早いが、インドネシア側にも13世紀からの歴史的ルーツがある。
- 過去にはモナコから抗議があったが、両国がそれぞれの正当性を主張し、現在に至っている。
国旗というフィルターを通して世界史を眺めると、ただの暗記科目だった地理や歴史が、急に生々しいストーリーとして立ち上がってくる気がします。
他にも「ポーランドとモナコ(これも逆さま)」「ルーマニアとチャド(ほぼ同じ)」「オランダとルクセンブルク(色の濃さが違う)」など、世界には“似てる国旗トリビア”がまだまだありそうです。
また面白いネタが見つかったら、記事にしたいと思います。
ではでは。



