こんにちは。「都会のはしっこ、2LDKで育ててます。」の管理人です。
最近ふと、自分の幼い頃の「原体験」について考えることがありました。 たった一度の小さな出来事が、何年も経った今でも、自分の行動や価値観に影響している…そんなこと、ありませんか?
今日は、私の原体験と、それが今の私にどうつながっているのか。そして、調べてみたら分かった「原体験と将来の関係」についてのお話です。
3行まとめ
- 幼少期の原体験は、自己効力感や価値観を形成し、職業選択にも影響する。
- 小さな成功体験は、新しい挑戦への積極性を育む。
- 困難な経験も、支えがあれば将来の強みになる。
私の小さな「全国1位」体験
私の原体験のひとつは、小学校3年生くらいのとき。 学研教室で受けた、ちょっとしたテストの結果でした。
その結果は――全国◯◯人中1位。
…と言っても、今思えば100点を取れば自動的に全国1位になる仕組み。難易度は低かったはずです。
でも当時の私にとっては、それがすごく大きな出来事でした。 親は「すごいね!」と褒め、親戚に会ったときにもその話をしてくれる。
それで私は勝手にこう思い込んだんです。 「自分は勉強ができるんだ」と。
この“思い込み”が効いたのか、親戚の家に泊まりに行ったときも、旅行先でも、宿題は欠かさずやる子になっていました。
調べて分かった「原体験」の威力
この話、ただの昔話で終わらせるつもりはありません。 調べてみたら、幼少期の原体験がその後の人生、とくに職業選択や学びの姿勢に大きく影響することが、研究でも明らかになっていたんです。
ざっくりまとめると――
- ポジティブな体験(PCEs) 成功や楽しい挑戦は、将来の心理的な土台になり、不安や消極性を減らす。
- 困難な体験(ACEs) 辛い経験も、適切な支援があれば「人を助けたい」という職業志向に変わることがある。
- ロールモデルとの出会い 身近な憧れの存在は、長く続く行動や選択の指針になる。
- 家族や環境の影響 性別役割や価値観は、かなり早い段階で形づくられる。
小さな積み重ねが「自分らしさ」を作る
振り返ると、あの「全国1位」の体験は、成績そのものよりも「できる」という感覚を刷り込まれたことが大きかった気がします。
心理学では「自己効力感」という言葉があります。 「自分はやれる」という感覚のことですが、これが高いと新しい挑戦に積極的になる傾向があります。
また、この感覚を高めるきっかけとして有名なのが「ピグマリオン効果」です。 これは、周囲からの期待や肯定的な評価が本人の能力や成果を引き上げるという心理現象。 幼い頃に「あなたはできる」と言われ続けた子どもは、本当にその通りに成長しやすいのです。 原体験は、この自己効力感やピグマリオン効果を引き出す重要なきっかけになり得ます。 だからこそ、小さな成功や達成感を積ませることは大事なんだな、と実感します。
自己効力感やピグマリオン効果についてはこちらの記事でも触れていますので、よろしければ見てみてください。
tokainohasi-2ldk.hatenablog.com
困難な経験も、武器になることがある
研究を読んで面白かったのは、幼少期の困難が必ずしもマイナスではないということ。
もちろん辛い経験は避けたいですが、それを支えてくれる存在や環境があれば、その後「人を助ける職業」や「問題を解決する仕事」に向かうことがあるそうです。
これを「補償的選択」と呼ぶそうで、自分の痛みを他の誰かの役に立てたいという気持ちが、キャリアの原動力になるとのこと。
子育て中の今、意識していること
今は私も小2の娘の親です。 研究や自分の経験をふまえて、次のようなことを意識しています。
小さな達成をたくさん経験させる 結果の大小よりも「できた!」の実感を重ねる。
ロールモデルを見せる 身近な人や本・映像を通して「こうなりたい」と思える存在を見せる。
失敗を「やり直せる経験」にする 困難やミスも、適切にリカバリーできれば自信につながる。
最後に
結局のところ、「原体験」というのは本人にとって強く心に残る出来事のこと。 それがポジティブでもネガティブでも、その後の行動や選択の軸になることがあります。
私にとっての学研教室のテストの1位は、ただの偶然かもしれません。 でも、その偶然をきっかけに「できるかも」という気持ちを持てたことは、確かにその後の私を支えてくれています。
日常のなかで、子どもたちがそういう「自分の軸」になる瞬間をひとつでも多く持てるように、これからも意識して関わっていきたいと思います。
ではでは。