こんにちは。「都会のはしっこ、2LDKで育ててます。」の管理人です。
本日は、読売KODOMO新聞のワールドトピックス深掘りシリーズの第5弾です。
これまでの歩みはこちら。
第1弾:マダガスカル
第2弾:パプアニューギニア
第3弾:カメルーン
第4弾:インドネシア
2025年11月13日号の読売KODOMO新聞で「エジプト・アラブ共和国」が紹介されていました。
エジプト。
正直なところ、この国名を聞いて私の頭に浮かぶのは、ピラミッド、スフィンクス、そしてツタンカーメンの黄金のマスクくらいでした。
あと、漫画や映画で見る砂漠の風景でしょうか。
古代の神秘的なイメージが強いです。
そもそも、正式名称が「エジプト・アラブ共和国」であることすら、今回改めて意識したレベルです。
知らない国を「自分ごと」にする連載。
今回は、この「エジプト・アラブ共和国」という国の輪郭を、教科書的な古代史ではなく、記憶のフックになりそうな現在の特徴ではっきりさせてみたいと思います。
この記事の3行まとめ
国の基本情報
まずは、基本データから。
首都はカイロです。
- 位置: アフリカ大陸の北東の角。北は地中海、東は紅海に面しています。
- 大きさ: 約100万平方キロメートル(日本の約2.7倍)。
- 人口: 約1億1,453万人(2023年)。日本の人口に迫る勢いで、中東・北アフリカ地域では最大級です。
- 公用語: アラビア語。
- 国旗: 赤・白・黒の横三色旗。中央には「サラディンの鷲」と呼ばれる金色の鷲が描かれています。
- 成り立ち: 1922年に英国から独立、1952年に共和制へ移行。古代文明のイメージが強いですが、現在の国の形になったのは比較的最近です。
日本の2.7倍もの広大な土地がありながら、人口も日本と同じくらい多い。 一見するとバランスが取れているように見えますが、地図を航空写真モードに切り替えると、少し違和感を覚えます。 全体が茶色いのです。
記憶に残る“フック”になる特徴
ここからは、私が今回の調査で特に興味を持った3つのフックについて掘り下げていきます。
国土の95%は「住めない場所」
最初のフックは「緑の帯」です。

日本の2.7倍という広大な国土を持っていますが、その内実は極めて偏っています。 実は、国土の95%以上が砂漠なのです。
水のない砂漠には、人は住めません。 では、1億人を超える人々はどこに住んでいるのか。 地図を見ると一目瞭然ですが、ナイル川の周辺と河口のデルタ地帯だけが、くっきりと緑色をしています。 この細長い「緑の帯」と扇状のデルタ地帯に、人口のほとんどが集中しているのです。
首都カイロの人口密度が凄まじいことになるのも頷けます。
「エジプトはナイルのたまもの」という古代ギリシャの歴史家ヘロドトスが引用した言葉は有名ですが、これは単なる比喩ではなく、現在進行形のライフラインそのものでした。 この極端な人口集中が、エジプト独特の熱気や混沌を生み出しているのかもしれません。
炭水化物の殿堂「コシャリ」
2つ目のフックは「コシャリ」です。

古代エジプト人はパンとビールを愛したそうですが、現代のエジプト人は何を食べているのか。 調べてみて最も衝撃を受けたのが、国民食と呼ばれる「コシャリ」でした。
これは、米、マカロニ、スパゲッティ、レンズ豆、ヒヨコ豆を混ぜ合わせ、その上に揚げた玉ねぎとトマトソースをかけた料理です。
米とパスタと麺。 炭水化物に炭水化物を重ね、さらに豆(炭水化物)を混ぜる。 日本の「ラーメンライス」やお好み焼き定食が可愛く見えるほどの、徹底したエネルギー重視の構成です。
街中の屋台や専門店で安く売られており、好みで「シャッタ(辛味ソース)」や「ダッア(酢とニンニクのソース)」をかけて食べるのだとか。 安くて、お腹がいっぱいになり、素早くエネルギーになる。 人口が密集し、喧騒に包まれたカイロの街を生き抜くためには、これくらい力強い燃料が必要なのでしょう。 繊細な味付けというよりは、生きるための「メシ」という迫力を感じます。
日本とエジプトをつなぐ「大エジプト博物館」
最後のフックは「大エジプト博物館」です。
古代遺跡の観光地というイメージのエジプトですが、実は今、国家を挙げた巨大プロジェクトが進行しており、そこに日本が深く関わっています。 それが、ギザのピラミッドの近くに建設された「大エジプト博物館」です。

ツタンカーメン王の黄金のマスクを含む約10万点の文化財を収蔵する、単一の文明を扱う博物館としては世界最大級の施設です。 日本はJICA(国際協力機構)を通じて、資金支援や技術協力を長年行ってきました。
単にお金を出すだけでなく、日本の専門家が現地に入り、エジプトの専門家と一緒に、遺跡の運搬方法や修復技術を共有しているのです。
古代の遺物を「掘り出す」時代から、「守り、未来へ伝える」時代へ。
私たちがニュースで見るピラミッドの映像の裏側には、ヘルメットを被って汗を流す現代のエジプト人と日本人の姿があるのです。
遠い国の話だと思っていましたが、現代の技術と情熱で繋がっていると思うと、急に親近感が湧いてきます。
まとめ:この国から感じたこと
調べる前は、ぼんやりとした「ピラミッドのある砂漠の国」という記号でしかなかった国。 しかし、記憶に残りそうな特徴をフックに調査してみると、
「広大な砂漠の中、ナイル川という一本の線に1億人がひしめき合って暮らす国」
「炭水化物をこれでもかと混ぜ合わせたコシャリでエネルギーを充填する人々」
「世界最大級の博物館建設を通じて、日本と技術のバトンを繋いでいる現場」
として、少しだけ輪郭がはっきりしました。
限られた居住可能エリアに多くの人が集まることで生まれる熱気。
地図上の「緑の帯」を指差して、「ここの線の上に、日本と同じくらいの数の人が住んでいるんだよ」と子どもに話してみようと思います。
ではでは。
