都会のはしっこ、2LDKで育ててます。

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【ワールドトピックス】250の言語と「苦い葉」の煮込み料理。カメルーンが“アフリカの縮図”と呼ばれるわけ

こんにちは。「都会のはしっこ、2LDKで育ててます。」の管理人です。

本日は、読売KODOMO新聞のワールドトピックス深掘りシリーズの第3弾です。

この連載は、まだ知らない国を「自分ごと」にするための調査記録。

第1弾はマダガスカル
第2弾はパプアニューギニアでした。

2025年11月6日号の読売KODOMO新聞で「カメルーン共和国」が紹介されていました。

エムボマ」や「エトー」といった、少し古いですが(苦笑)、 有名なサッカー選手がカメルーン代表であることは知っています。

でも、私が知っているのは、そこまで。

アフリカのどのあたりにあって、 どんな言葉を話し、 食卓にはどんなものが並ぶのか。

地図の上での場所はわかっても、どんな暮らしをしているのか、 そのイメージが、驚くほど湧いてきません。

知らない国を「自分ごと」にする連載。

今回は、この「カメルーン共和国」という国の輪郭を、 記憶のフックになりそうな特徴ではっきりさせてみたいと思います。



この記事の3行まとめ

  • アフリカ中西部に位置し、国土は日本の約1.3倍、約250の部族が暮らす。
  • 熱帯雨林からサバンナまで多様な気候を持つため「アフリカの縮図」と呼ばれる。
  • 公用語は仏語と英語だが国内言語は250以上。国民食は「ンドレ」という苦い葉の煮込み料理。

国の基本情報

まずは、基本データから。

カメルーン共和国。 首都はヤウンデです。


Wikipediaより

日本の1.3倍という広大な土地に、公用語が2つある。 そして、フランス領とイギリス領が「一緒になる」ことを選んだ歴史。

この「多様性」が、カメルーンを読み解く最初の鍵になりそうです。

記憶に残る“フック”になる特徴

なぜ「アフリカの縮図」と呼ばれるのか?

最初のフックは、カメルーンのニックネームです。
カメルーンは、その多様性から「アフリカの縮図」と呼ばれているそうです。

なぜ、そう呼ばれるのか。
理由は、地理的な特徴と、人の特徴にありました。

まず、地理。

カメルーンの国土には、アフリカ大陸に存在する主要な気候帯と地形が、ほぼすべて揃っているというのです。

南部にはうっそうとした熱帯雨林が広がり、 中部はサバンナ地帯、 そして北部はステップ気候で、砂漠化のきざしもある。

さらに、ギニア湾に面した海岸線もあれば、 標高4,000メートルを超える火山(カメルーン山)もある。

一つの国の中で、これだけ気候と風景が変わる場所は珍しいそうです。

そして、人の多様性。

外務省のデータによれば、カメルーン国内には約250もの部族(民族)が存在するとされています。

一つの国に、250の異なるルーツを持つ人々が暮らしている。
これは、私たちが想像する「国」という単位とは、密度がまったく違います。

地理も、人も、あまりにも多様。
だから「カメルーンを見れば、アフリカがわかる」という意味で、 「アフリカの縮図」と呼ばれているわけです。

日本のように、ほぼ単一の言語と民族で、 気候も(南北に長いとはいえ)比較的似通った島国に暮らしていると、 この「多様性がデフォルト」という感覚は、なかなか掴みにくいものです。

公用語が「2つ」で、国内言語が「250以上」の世界

「アフリカの縮図」という言葉を、さらに強く印象付けたのが「言語」です。

基本情報で、公用語は「フランス語」と「英語」だと知りました。
これは、フランス領とイギリス領が統合した歴史的背景によるものです。

国内の10州のうち、8州がフランス語圏、2州が英語圏と、明確に分かれているそうです。

驚いたのは、その「併用」の徹底ぶりです。

例えば、大手新聞「Cameroon Tribune」は、 記事によってフランス語で書かれていたり、英語で書かれていたりするそうです。
対訳ではなく、混在。

テレビの国営放送CRTVも同様で、 夜のニュースはフランス語の時間の後、英語の時間、というように 両方の言語で放送される。

公用語が2つある国の「日常」が垣間見えます。

でも、話はここで終わりませんでした。

公用語はあくまで「2つ」。
では、日常で使われる「言語」はいくつあるのか。

その数は、なんと「250以上」(民族の数とほぼ同じ)。

つまり、カメルーンの多くの家庭では、 「家で話す部族の言葉(母語)」と、 「学校や役所、テレビで使う公用語(フランス語または英語)」 という、少なくとも2つ、あるいは3つ以上の言葉を使い分けるのが当たり前だということ。

日本で「英語教育をいつから始めるか」で悩んでいるのが、 なんだかとても小さなことに思えてきます。

公用語(英語)の授業で、 隣の席の子が家で話している言葉は、 自分の母語とも、英語とも、フランス語とも違う。

そんな環境で育つ子どもたちは、 「違うこと」に対する感覚が、 私たちとは根本的に違うのかもしれません。

国民食「ンドレ」と、芋のようなバナナ

多様な人々が、毎日何を食べているのか。
最後のフックは「食卓」です。

カメルーンには「ンドレ」と呼ばれる、 まさに国民食があります。

JICA海外協力隊の世界日記より

主役は、「ンドレ」という名前のビターリーフと呼ばれる苦い葉物野菜です。

この苦い葉を、そのままでは食べられません。
塩や重曹を入れて何度も何度も茹でこぼし、 布に包んで川の水で全身を使って洗い、揉みほぐし、 とにかく徹底的に苦味(アク)を抜くそうです。

ものすごく、手間がかかります。

そうして下ごしらえした葉を、 砕いたピーナッツのペースト、タマネギやニンニクなどの香味野菜、 そして燻製した魚や牛、エビなどと一緒に煮込んで、ようやく完成。

かつては宮廷料理だったとも言われる、 非常に手の込んだご馳走です。

そして、この「ンドレ」と一緒に食べる主食が、 「プランテン」と呼ばれる調理用バナナ。

Wikipediaより

見た目はバナナですが、私たちが知っているバナナとは違い、 生では食べられず、甘みもほとんどない、 どちらかというと「芋」に近い存在。

これを茹でたり、揚げたり、焼いたりして、 ホクホクにしたものをンドレにつけて食べるのが定番だそうです。

「苦い葉」を、膨大な手間をかけて「美味しい煮込み料理」に変える。 「甘くないバナナ」を、加熱して「主食」にする。

その土地にあるものを工夫して食べる、 たくましい暮らしの知恵が詰まっていました。

まとめ:この国から感じたこと

カメルーン

調べる前は、ぼんやりとした「サッカーが強い国」という記号でしかなかった国。

しかし、記憶に残りそうな特徴をフックに調査してみると、

熱帯雨林もサバンナも火山も持つ“アフリカの縮図”」
「2つの公用語と250以上の国内言語が混在する社会」
「“苦い葉”と“芋のようなバナナ”を愛する食文化」

として、少しだけ輪郭がはっきりしました。

「アフリカの縮図」という言葉は、 単に地理的な多様性を指すだけでなく、 フランス領とイギリス領という複雑な歴史を経て、 250もの異なる人々が、 ピーナッツペーストが具材をまとめる「ンドレ」のように、 混ざり合いながら一つの国を形成している。
そんな姿を表しているのかもしれません。

もし子どもに「カメルーンってどんな国?」と聞かれたら。

「250種類の言葉を話す人たちが、 苦い葉っぱをピーナッツで煮込み、 芋みたいなバナナにつけて食べてる国だよ」

そう答えてみようと思います。

ではでは。