都会のはしっこ、2LDKで育ててます。

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【ワールドトピックス】富士山より高い場所に100万人が住む?ボリビアの薄い空気と塩の海

こんにちは。「都会のはしっこ、2LDKで育ててます。」の管理人です。

本日は、読売KODOMO新聞のワールドトピックス深掘りシリーズの第12弾です。

第1弾:マダガスカル 第2弾:パプアニューギニア 第3弾:カメルーン 第4弾:インドネシア 第5弾:エジプト 第6弾:イラン 第7弾:ウガンダ 第8弾:ギニアビサウ 第9弾:ホンジュラス 第10弾:リトアニア 第11弾:シリア

前回は、シリアについて深掘りしました。

2026年1月15日号の読売KODOMO新聞で「ボリビア」が紹介されていました。

正直に告白しますと、私はこの記事を読むまで、ボリビアはアフリカの国だと勘違いしていました。 国旗の色合いからなんとなくアフリカっぽいなと思っていたのですが、実際には南アメリカ大陸のど真ん中にある国なんですよね。

知っていることといえば、テレビやSNSでよく見る、空が地面に映る「ウユニ塩湖」くらい。 でも、実際に調べてみると、そこには「空気が薄いことが当たり前」な人々の暮らしや、私たちのスマホと意外なところでつながっている現実が見えてきました。

知らない国を「自分ごと」にする連載。

今回は、この「ボリビア」という国の輪郭を、記憶のフックになりそうな特徴ではっきりさせてみたいと思います。



この記事の3行まとめ

  • 南米大陸のほぼ中央に位置し、日本の約3倍の広さを持つ、海のない内陸国
  • 富士山の頂上付近に匹敵する標高に大都市があり、ロープウェイが日常の交通手段として空を飛び交っている。
  • 絶景で知られるウユニ塩湖は、実は私たちのスマホや電気自動車に不可欠な「リチウム」の巨大な貯蔵庫でもある。

国の基本情報

まずは、基本データから。

ボリビア多民族国

憲法上の首都はスクレですが、政府機関が集まっているのはラパスです。 この「事実上の首都」であるラパスが、とんでもない場所にあることは後ほど詳しく書きますね。


地図に使えるフリー素材より

これだけの面積がありながら、海がない「内陸国」であること。
そして公用語が36もあるという点に、この国の複雑な成り立ちが透けて見えます。

調べていくうちに、私の頭の中にある「ボリビア=ウユニ塩湖」という情報以上のものが見えてきました。

まず驚いたのは、その「高さ」です。

記憶に残る“フック”になる特徴

息を切らして通勤する?標高3,600メートルの大都市

最初のフックは「標高」です。

ボリビアの事実上の首都、ラパス。 この街の標高は、約3,600メートルから4,000メートルを超えます。 日本の富士山の標高が3,776メートルですから、まさに富士山のてっぺん付近に100万人規模の人々がひしめき合って暮らしているイメージです。

想像してみてください。 朝起きて、顔を洗って、学校や仕事に行く。 その当たり前の動作のすべてが、酸素が地上の約3分の2しかない場所で行われているんです。

ラパスの街は、巨大な「すり鉢」のような地形をしています。 面白いのが、住んでいる場所と貧富の差の関係です。 普通、高級住宅街といえば見晴らしの良い高台をイメージしますが、ラパスはその逆。 すり鉢の底(標高が低い場所)ほど空気が濃くて暖かいため、富裕層が住み、崖の上の縁(標高が高い場所)ほど貧しい人々が住むという構造になっています。

この高低差の激しい街で、市民の足となっているのが「テレフェリコ」と呼ばれるロープウェイです。 2014年に開通したこの公共交通機関は、渋滞知らずで街を縦横無尽に結んでいます。

Wikipediaより

スキー場のリフトに乗るような感覚で通勤・通学をする光景は、ラパスならでは。
窓からは、すり鉢の斜面にびっしりと張り付くレンガ造りの家々が見渡せます。
日本でいえば、地下鉄やバスに乗る感覚で、毎日空を散歩しているようなものですよね。

なぜ、こんなに不便そうな高い場所に街を作ったのか。 もともとはスペインの植民地時代、金や銀の輸送の拠点として、風を避けられるすり鉢状の地形が選ばれたのが始まりだそうです。

「空気が薄い」という、私たちにとっては命に関わるような環境が、彼らにとってはただの「日常」であること。 ラパスのサッカーチームがホームゲームで異常に強い(遠征してきたチームが酸欠で動けなくなるため)というエピソードを聞くと、人間がいかに環境に適応する生き物かを痛感します。

絶景の裏側にある「スマホの電池」との関係

2つ目のフックは「ウユニ塩湖とリチウム」です。

ボリビアといえば、多くの人が思い浮かべるのがウユニ塩湖でしょう。 1万平方キロメートルを超える広大な塩の平原は、雨季になると薄く水が張り、巨大な鏡となって空を映し出します。

でも、この美しすぎる景色には、現代社会を支える「宝物」が眠っています。 それが、リチウムです。

私たちが毎日使っているスマートフォン、ノートパソコン、そして普及が進む電気自動車(EV)。 これらに欠かせない「リチウムイオン電池」の材料となるリチウムが、ウユニ塩湖の下には世界最大級の埋蔵量で眠っているとされています。

この事実を知ったとき、私はボリビアが急に身近に感じられました。 「遠い異国の、一生に一度行けるかどうかの絶景ポイント」だった場所が、実は私のポケットの中にあるスマホと、目に見えないパイプでつながっているような感覚です。

しかし、この資源開発は簡単ではありません。 ボリビア政府は、この貴重な資源を自国でコントロールし、国民の利益にしようと奮闘しています。 単に原材料を売るだけでなく、電池そのものを自国で作れるようになれば、国が豊かになれるからです。

一方で、リチウムを抽出するためには大量の水が必要になります。 乾燥したウユニの環境において、水の大量消費は周辺の生態系や、昔からそこで暮らしてきた人々の生活に影響を与える可能性もあります。

「絶景を守るべきか、経済的な豊かさを取るべきか」 そんな、教科書に出てくるような葛藤が、あの真っ白な塩の平原の地下でリアルタイムに起きているんです。 次にスマホの充電器をコンセントに差し込むとき、ふと、あの標高3,700メートルにある白い大地を思い出してしまいそうです。

山高帽と何層ものスカート、たくましき「チョリータ」

最後のフックは「チョリータ」と呼ばれる女性たちの文化です。

NATIONAL GEOGRAPHICより

ボリビアの街を歩くと、独特のファッションに身を包んだ女性たちに目を奪われます。 山高帽(ボーラーハット)をちょこんと頭に乗せ、何層にも重なったボリュームのあるスカート(ポジェラ)を履き、カラフルな布で荷物を背負う姿。 彼女たちは「チョリータ」と呼ばれています。

このスタイル、実は歴史の皮肉から生まれたものなんです。 16世紀以降のスペイン植民地時代、先住民の人々はスペイン風の服装を強制されました。 それが長い年月を経て、ボリビア独自の解釈で進化し、現在のスタイルになりました。

かつては差別や差別の対象になることもあったチョリータたちですが、近年は社会進出が目覚ましく、弁護士や議員として活躍する人も増えています。

そして、そのたくましさを象徴するのが「チョリータ・プロレス」です。 あの伝統的な多層スカートをなびかせながら、リングの上で激しく戦う彼女たちの姿は、観光客にも大人気です。

私たちが「伝統」という言葉からイメージする、静止した文化。 でもボリビアのチョリータたちを見ていると、文化とは、押し付けられたものを自分たちらしく書き換え、力強くアップデートしていくものなのだと教えられます。

まとめ:この国から感じたこと

ボリビア

調べる前は、ぼんやりとした「アフリカあたりの、ウユニ塩湖がある国」という記号でしかなかった国。 しかし、記憶に残りそうな特徴をフックに調査してみると、

「富士山と同じ高さで、ロープウェイをバス代わりに使う人々」 「スマホの電池の未来を握る、真っ白な塩の原野」 「強制された文化を誇りに変えた、山高帽の女性たち」

として、少しだけ輪郭がはっきりしました。

一番の驚きは、やはり「環境への適応力」です。 空気が薄ければ、その中で生きていくための街を作り、乗り物を作る。 他国から持ち込まれた帽子が小さければ、それをファッションとして定着させる。

私たちは、ちょっと電車が遅れたり、Wi-Fiがつながらなかったりするだけで「不便だ」と文句を言ってしまいがちです。 でも、ボリビアの人々の暮らしを覗いてみると、どんなに厳しい環境であっても、そこには工夫があり、色彩があり、たくましい生活の営みがあることに気づかされます。

ではでは。