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【データで見る】東京都小学生の進学先をエリア別に分析!都内・都外・私立進学の傾向をマップ化してみた

こんにちは。「都会のはしっこ、2LDKで育ててます。」の管理人です。

東京都教育委員会が発表した「令和7年度 公立学校統計調査報告書【公立学校卒業者(令和6年度)の進路状況調査編】」に興味深いデータが載っていたので、今回はそれをもとに東京都内の小学生の進学先をエリアマップで可視化してみました。

使ったのは、Tableauという無料でも使えるデータ可視化ツール。
慣れるまで多少の試行錯誤は必要ですが、これがなかなか面白かったです。
都内の小学校を卒業した子どもたちが、「どのくらい私立に進学しているのか」「どの市区町村に偏りがあるのか」をざっくり見えるようにしてみました。



この記事の3行まとめ

  • 東京都の小学生のうち、都心5区では4〜5割が私立中学へ進学している
  • 一方で、生徒数が多いのは23区外縁部と多摩地域
  • 「私立進学希望は多いけれど学校が少ない」エリアも存在

東京都教育委員会の最新データをもとに分析

今回使用したデータは、東京都教育委員会が公開している以下の統計資料です。

出典: 東京都教育委員会 「令和7年度 公立学校統計調査報告書【公立学校卒業者(令和6年度)の進路状況調査編】」 https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/about/statistics_and_research/career_report/report2025

使用したのは「第2表 都内公立中学校等進学者数」。
そこから以下の7項目を抽出して、市区町村ごとに整理・可視化しました。

  1. 小学校卒業者数
  2. 都内私立中学校進学者数
  3. 都内私立進学割合(2÷1)
  4. 都外中学校等進学者数 
  5. 都外中学校等進学割合(4÷1)
  6. 各市区町村の私立中学校数
  7. 私立進学者数 ÷ 私立中学校数(=学校1校あたりの私立進学需要)

下記が作成したエリアマップです。 ※ PC推奨です。


小学校卒業者数:23区外縁と多摩地域が多い

小学校卒業者数(筆者作成)

まず、「小学校卒業者数」から見ると、やはり人口の多い区が上位に並びます。

特に多かったのは以下のエリアです。

いずれも23区の外側エリアで、住宅地が広くファミリー層が多い地域です。
加えて、八王子市や町田市など神奈川県寄りのエリアも多いですね。

都心部は人口こそ多いですが、子育て世帯のボリュームゾーンは依然として「外側」。
住宅価格や住環境と密接に連動していると見てよさそうです。


都内私立進学者数:世田谷区が圧倒的

都内私立中学進学者数(筆者作成)

次に注目したのが都内の私立中学校に進学した生徒数です。

やはり目立つのは世田谷区
都内最大の小学校数・児童数を誇るだけでなく、私立中学への進学者もトップクラスでした。

世田谷区内には進学校・中堅校・女子校など、バリエーション豊かな私立が揃っており、「通いやすい範囲に選択肢が多い」ことが背景にありそうです。
また、教育熱心な家庭が多く住むエリアでもあるため、受験率そのものが高いことも影響しているでしょう。


都内私立進学割合:都心5区が際立つ

都内私立進学割合(筆者作成)

割合(=都内私立進学者数 ÷ 小学校卒業者数)で見ると、やはり都心部が圧倒的です。

上位5区は以下の通り。

区名 都内私立進学割合
文京区 48.5%
千代田区 44.1%
港区 41.9%
目黒区 41.8%
中央区 39.6%

おおよそ2人に1人が都内の私立中学へ進学している計算。 (※都外の私立中学への進学者数はカウントに含まれません。)

これは全国的に見ても突出しています。

いわゆる「文教地区」や「教育熱心な家庭が集まるエリア」と呼ばれる地域が上位を占めており、公立中学→高校→大学というルートよりも、私立中高一貫を選ぶ層が多いことがデータからも明確に見えてきます。


都外中学校等進学者数:隣接県エリアが多い

都外中学校等進学者数(筆者作成)

都外進学者が多いのは、東京の境界に位置する自治でした。

具体的には、町田市、八王子市、多摩市、西東京市など。
神奈川・埼玉・千葉の私立中学校への越境進学、あるいは転居・移住に伴う進学も一定数含まれていると考えられます。


都外中学校等進学割合:港区・中央区が上位

都外中学校等進学割合(筆者作成)

割合でみると意外だったのが、都外進学割合の高い区の顔ぶれです。

区名 都外進学割合
港区 9.2%
中央区 8.3%

一見、地理的には東京都の中心部ですが、「都外の進学校」への通学・転居など、ライフスタイルの柔軟性が高い層が多いエリアとも言えそうです。

特に港区や中央区の家庭は、私立校選びに“都内”という縛りがない傾向があるのでしょうか。
距離より教育環境重視、といった価値観がデータにも表れています。


「私立進学者数 ÷ 私立中学校数」から見える“教育供給の偏り”

私立進学者数 ÷ 私立中学校数(筆者作成)

最後に、私立進学者数をその市区町村の私立中学校数で割ったこちら。

「そのエリアの私立中学校1校あたりに、どれだけの進学者がいるか」を算出してみました。

すると、中央区大田区が特に高い数値を示しました。

この2区には共通点があります。
それは、私立中学校の数が少ないということ。
つまり、「需要(私立進学者)はあるのに、供給(私立学校数)が少ない」エリアといえます。
(私立学校数は東京都私学財団の私立中学校一覧から算出しています。)

もっとも、東京の場合は公共交通網が発達しており、通学圏が広いのが特徴。
通学30〜40分圏内に選択肢があれば、居住区内に学校がなくても実質的な不便はないのかもしれません。


データを可視化してみて感じたこと

こうして見ていくと、 「どこに住むか」で教育の選択肢や傾向が大きく変わるということを改めて感じました。

同じ東京都でも、

  • 都心部 少子化でも高い私立志向
  • 郊外部: 人口・卒業者数が多く、幅広い層が存在
  • 多摩地域 越境・私立・公立が混在する多様性エリア

私自身も子どもが小学生なので、こうしたデータを眺めながら「もし中学受験をするとしたら?」と想像してしまいます。
特に、自宅近くの進学動向をマップで見られるとリアルですよね。


エリアマップは結構簡単

今回の可視化には、Tableau Publicを使いました。 直感的に地図に落とし込めるのが楽しく、データを「眺めるだけでも発見がある」ツールです。

エリアマップだけではなく、その他にも多様なグラフが作れるので、また別のテーマでも使ってみたいと思います。


まとめ

今回の可視化から見えてきたポイントを整理すると――

  • 小学校卒業者数は23区外縁部と多摩地域が多い
  • 都心5区では私立進学率が4〜5割と突出
  • 港区・中央区は都外進学割合が高いという意外な結果
  • 中央区大田区は学校数に対して需要が多い

東京都内だけでも、これだけ進学スタイルに差があるのは興味深いですよね。

ではでは。